箱組は奥が深く、さまざまなパターンを紹介すると切りがないので、
            ここでは非常に基本的な型と設計(計算)方法について説明します。
            「計算」と言っても、小学校レベルの四則演算ができれば十分です。
          
            本ソフトの箱組作成は、1段の文字数は完全固定、段間だけが大きさ変更可能という方式です。
            段間には記事は流れませんが、矩形素材は置けます。
            箱組の設計・作成では、この段間の使い方が肝になります。
          
正段の箱組
            基本的な作成・計算法は
             (1)紙面より段組をひとつ減らす(3段なら2段組み、5段なら4段組)
             (2)減らした1段分を、上下の罫線と段間に振り分ける
             (3)文字組を紙面より増やした場合、振り分け領域が少なくなる
            となります。新聞でよく見るパターンです。
          
段間ひとつを拡大する
            
          
            上図左の例だと、文字組は紙面と同じ12です。
            2段組みで1段12文字分と段間の合わせて13文字分が余ります。
            上下の罫で2文字分ずつ計4文字分使うので、残りは9文字分。それを真ん中の段間に割り振っています。(通常の段間に足して計10文字分)
            上図右は、文字組を紙面より1つ多い13文字にしているので、段間に振り分けられる天地は
             13-2-4 = 7
            で7文字分(通常の段間に足して計8文字分)になります。(箱組に収容できる記事量は当然増えます)
          
複数の段間を拡大する
余り分を段間2つに振り分ける形もよくあります。
            
          
            上図左の例では、2つの段間にそれぞれ4文字分、6文字分割り振っています。
            また文字組を1つ増やした上図右の例では、段間をそれぞれ3文字、5文字分に縮めています。
          
食い込みの箱組
食い込みの写真などと組み合わせるパターンです。これも現代の新聞でよく見ます。
            この場合は
             (1)段組を食い込みのうち正段部分と会わせるかひとつ減らす
             (2)余った部分を上限罫線や段間に振り分ける
            となります。
          
            
          
            上図は、それぞれ1段6文字分の写真の下に、紙面と同じ12文字組の箱組を置いた例です。
            左図の例は、余った6文字分を、天の段間と下の内外余白にそれぞれ4文字分と2文字分、割り振っています。
            右図の例は、余った分を、さらに上の余白にも割り振っています(写真と記事がくっつかないため)。
          
横組の場合
            縦組の紙面の中に横組の箱組を作る場愛、縦組のような単純な計算式はありません。
            ただ、入る記事の総量は縦組とほとんど変わらないので、まず領域を決めてから紙面作成する方がよいと思います。
          
箱組の中に箱組
以下は、箱組を使った実際の新ppp 聞紙面をおおざっぱに再現したものです。
通常の12文字組紙面の4段分の天地を持つ箱組で、中にはさらに2つの箱組が入っています。(右上のリード組も箱組なので正確には3つ)。
          箱組のひとつは横組で、さらに小さな文字サイズになっています。

本文はプログラム出力した、遠目で日本語に見えるだけの偽文です)
一見、何やら複雑に見えますが、ベースの箱組は以下のように実に単純な構造です。

箱組の中にさらに箱組を作るのはよくある手法です。
            箱組を紙面と考えて、上記の方法と同じ手法で作れば、ひとつひとつの箱組作成はさほど難しくありません。
            上の例だと、左下の箱組は、文字組を親の箱組よりひとつ増やした分、段間のサイズがほぼ2文字分小さくなっています。